住宅ローンを組む際には、無理な返済プランを立ててしまうと、返済が滞ってマイホームを手放すことになる可能性があります。注文住宅を建てる場合は、事前に新築にかかる費用の相場を把握し、予算を明確にしてから設計を依頼することが重要です。以下では、福岡県で注文住宅を検討中の方々に向けて、新築の費用内訳や福岡県における注文住宅の相場、おすすめのエリアなどをご紹介いたします。
家を建てるのに必要な費用は?
家を建てる際には、建物の建築費用だけでなく、さまざまな費用が必要になります。以下に、主な費用をご説明します。
解体工事費用
既存の建物を解体するために必要な費用です。建物の解体費用に加えて、足場の設置費用や周辺の養生費用、建物の処分費用なども含まれます。解体工事は、新たな建物を建てる前に行われる場合があります。
基礎補強工事費用
地盤の弱い場所では、家の傾きや地盤の沈下のリスクがあるため、基礎補強工事や杭の設置が必要となることがあります。地盤調査に加えて、補強工事費用や調査費用も発生します。地盤の安定性を確保するために重要な工事です。
造成工事費用
土地の高低差がある場合に、土地を平らにするための工事費用です。地盤の平坦化や整地工事が行われ、安定した地盤の上に家を建てるための準備が行われます。
エクステリア工事費用
庭や門、駐車場、フェンスなどの外装工事にかかる費用です。これらの費用は、建物の建築費用とは別に発生します。外観や外部の設備について、美しさや機能性を追求するために行われます。
内装および電設工事費用
家具やカーテン、家電などの内装費用や、エアコンや照明などの電設工事費用が含まれます。これらは、建物の建築費用には含まれず、別途費用がかかります。内部の仕上げや設備において、快適性や機能性を追求するために行われます。
諸費用
家を建てる際に発生するさまざまな費用が含まれます。具体的には、税金や住宅ローンの手数料、火災保険料などがあります。これらは建設に関連する手続きや保険料として発生します。
これらの費用を考慮し、予算を立てることが重要です。また、建築会社との相談や見積もりを通じて、具体的な費用を確認することがおすすめです。
新築の費用は土地代に左右される
一住宅あたりの延床面積の広さランキングでの最下位は東京都です。東京都は平均年収ランキングでは1位ですが、土地代が高いため一番家が狭い傾向があります。このことからも分かるように、新築費用も土地代に大きく影響されます。以下では、土地代が建築費用に与える影響について説明します。
土地代と建物の建築費用の比率
土地代と建物の建築費用の比率は地域によって異なりますが、住宅金融支援機構の「2021年度フラット35利用者調査」によると、首都圏で約5,100万円の戸建てを建てた場合の比率は次のとおりです。
土地代: 2,220.9万円(43.3%)
建物の建築費: 2,911.7万円(56.7%)
合計: 5,132.6万円
延床面積40坪の建物の建築費用
土地代を考慮せずに建物の建築費用のみを見てみましょう。注文住宅の建築費用は、依頼する工務店やハウスメーカーによって異なります。以下に、延床面積40坪の注文住宅を依頼した際の建物の建築費用の違いを示します。なお、これらは一例であり、実際の建築費用は要相談です。
コストを抑えた注文住宅(ローコスト住宅)を扱う会社
坪単価は約20万円から30万円で、建築費用は約800万円から1,200万円となります。
地元の工務店
坪単価は約50万円以上で、建築費用は約2,000万円以上となります。
大手ハウスメーカー
坪単価は約90万円以上で、建築費用は約3,600万円以上となります。
これらの例からもわかるように、建築費用を抑えるためには適切な工務店やハウスメーカーを選ぶことが重要です。予算に合わせて選択し、見積もりや相談を行うことで具体的な建築費用を把握することができます。
福岡県の注文住宅の相場
注文住宅の坪単価は地域によって異なります。福岡県で注文住宅をご検討中の方は、福岡県での注文住宅の相場を把握することが重要です。
福岡県全体の注文住宅の相場
住宅金融支援機構の「2020年フラット35利用者調査」によると、福岡県における注文住宅の建築費用と住宅面積の相場は次のとおりです。
土地なし注文住宅融資の建築費用: 3,505.6万円(約38坪、125.9㎡)
土地付き注文住宅融資の建築費用: 3,141.2万円(約35坪、114.1㎡)
ちなみに、全国平均は以下のとおりです。家の広さに大きな差はありませんが、福岡県では土地なしの注文住宅融資の建築費用が27万円安く、土地付きの場合は180万円高くなっています。
※参考全国平均
土地なし注文住宅融資の建築費用: 3,532.5万円(約38坪、124.4㎡)
土地付き注文住宅融資の建築費用: 2,961.2万円(約34坪、111.1㎡)
福岡県内の地域による建築費用の違い
福岡県は2021年と2022年に連続して地価上昇率全国1位となりました。福岡県内でも土地価格の違いは大きく、最も地価の高い福岡市と安い地域では1㎡あたり50万円以上の差があります。福岡県内で土地付きの注文住宅を建てる場合、建築費用にはかなりの差が生じることが予想されます。
福岡県で北九州がオススメの理由 人気4エリアを比較
福岡県内で注文住宅を建てる場合、北九州市がおすすめです。以下では、人気のエリアを比較しながらその理由を解説いたします。
福岡市
福岡市は人口最多の都市であり、都市機能が発達しています。交通の便も良く、利便性が高い特徴があります。一方で地価が高く、注文住宅建設には相応の費用がが必要です。しかし、魅力的な住環境で商業施設や公園も充実しており、様々なライフスタイルに対応できます。福岡市は充実した都市生活を楽しめる場所です。
筑後地域(大牟田市、久留米市、八女市、筑後市)
緑豊かな地域で土地価格は比較的安く、福岡市に比べて1平方メートルあたり約3万円程度です。福岡市への通勤も可能ですが、交通の便はあまり良くないため、車が必要な場合もあります。自然環境が豊かであり、農業や観光が盛んです。のどかな暮らしや地域のコミュニティも魅力的です。土地購入を考える際には、交通の利便性や生活スタイルに合わせて判断しましょう。
筑豊地域(飯塚市、鞍手郡、田川市、直方市)
筑後地域よりさらに地価が安く、1㎡あたり1万円で土地を購入できるエリアもあります。2023年には「ゆめタウン飯塚」の開業が予定され、生活利便性が向上する見込みです。自然環境も豊かでのんびりとした暮らしを楽しめます。ただし、交通の便はやや劣るため、車を利用することが推奨されます。筑豊地域は予算に合わせて理想の生活を実現できる魅力的なエリアです。
北九州地域(北九州市、苅田町、遠賀郡、中間市)
北九州地域は生活利便施設が充実しており、ショッピングセンターや病院、学校などが近くにあります。交通の便も良く、公共交通機関や高速道路が整備されています。また、自然環境も豊かで公園やレクリエーション施設も多く、快適な生活が送れます。
また、北九州地域は土地価格が比較的安いエリアです。北九州市は地価が高めで、1平方メートルあたり7万円から8万円程度ですが、それでも福岡市の約3分の1の価格です。行橋市や豊前市などのエリアに移ると、1㎡あたり2万円から3万円の土地も見つかるでしょう。
建築費用は土地代に左右されるため、地価が安ければそれだけ費用を抑えて広い家を建てることができます。ただし、地価の安い地域は交通の便が悪かったり、最低限の生活利便施設が不足していることが多いです。特に都会暮らしに慣れている方にとっては、刺激が少なく退屈で不便な状況に感じることもあります。福岡県で注文住宅を建てる場合、地価と利便性のバランスが良い北九州地域がおすすめです。このエリアでは、比較的地価が安く、生活利便施設も充実しています。