北九州市で注文住宅を検討している皆さん、市街化調整区域って何だかご存知ですか?注文住宅を建てる際、この地域指定が住宅計画にどのように影響を与えるのでしょうか。
この記事では、市街化調整区域の基本から注文住宅建築のポイント、そして信頼できる工務店の選び方について詳しくご紹介します。
市街化調整区域とは? 詳しく解説
北九州市内には様々な市街化調整区域が存在します。市街化調整区域は、都市計画法により都市の無秩序な市街化を防止して計画的なまちづくりをするために「市街化を抑制すべき区域」として定められています。
では、市街化調整区域とは具体的に何なのでしょうか?
都市計画区域の設定
都市計画を決めるにあたっては、まず「都市」の範囲を明らかにしなければなりません。
そこで、都心の市街地から郊外の農地や山林のある田園地域に至るまで、人や物の動き、都市の発展を見通し、地形などからみて、一体の都市として捉える必要がある区域を、「都市計画区域」として指定します。
都市計画区域は都市の実際の広がりに合わせて定めるので、その大きさは一つの市町村の行政区域の中に含まれるものからいくつかの市町村にわたる広いものまであります。
市街化区域と市街化調整区域
都市計画では、無秩序にまちが広がらないように、一定のルールに基づいて建物の建築などを制限しています。
具体的には都市計画区域を2つに区分して、すでに市街地になっている区域や計画的に市街地にしていく区域(市街化区域)と、市街化をおさえる区域(市街化調整区域)を定めます。
この区分を定めることを「線引き」と言います。
市街化調整区域の背景
戦後の高度成長期では、人口増加が著しい都市部において住宅地の乱開発が問題となっていました。当時は都市の近郊においても農業が盛んに行われていたため、そのまま住宅の乱開発が進むと大切な農地が失われていく可能性がありました。
そのような時代背景の中、都市近郊にある農村地帯を守るため、開発を規制する必要性が出てきました。そこで登場したのが「市街化調整区域」です。
市街化調整区域の制限
市街化調整区域では、建てられる建築物が制限されており、開発又は建築行為を行なう場合は、原則として許可が必要になります。
このため、注文住宅を建てる際には、まず所在地がどの区域に該当するのかを確認し、役所の担当窓口に相談が必要です。
市街化調整区域は都市のバランスを保ち、持続可能なまちづくりを支える重要な仕組みです。注文住宅を建てる際には、この区域の指定に留意しなければなりません。
市街化調整区域に注文住宅を建てる際の注意点
市街化調整区域内で田や畑を造成して宅地にするには、農地転用許可、開発許可を得なければなりませんが、開発許可の手続きは行政書士事務所、建築・設計事務所などに依頼します。
造成計画や建築計画、周辺農地への影響などを審査され、適合することで許可がおります。許可が下りれば造成工事をおこない、役所の工事完了検査を受け、検査済証の交付を受けることで、ようやく建築確認の申請ができます。
田や畑を宅地にして家を建てる場合、まずは建築予定の場所がどのような法規制にあたるのかを確認することから始まります。
具体的には検討している建築会社に敷地調査を依頼し、どうのようにすれば家が建つのか、届出や許可が必要なのかを確認することです。許可が必要な場合であれば、申請から許可までのスケジュールや申請や造成に必要な費用の確認などを行ってください。
市街化調整区域内で注文住宅を建てる際には、いくつかのポイントに注意する必要があります。まず、地域の指定によって建築高さや建ぺい率に制限があることがありますので、それに合わせたプランニングが必要です。また、外観や屋根のデザインにも規制がかかることがあるため、建築設計の段階から市街化調整区域の規制を踏まえたデザインを考えることが肝要です。
さらに、隣地との距離や日照の確保など、隣近所との調和も考慮しなければなりません。市街化調整区域内での建設は緻密な計画が必要となりますが、理想の注文住宅を実現するための鍵でもあります。
市街化調整区域で注文住宅を建てる利点と欠点
市街化調整区域内での注文住宅建設は、それぞれメリットとデメリットを考慮する必要があります。まずはメリットから見ていきましょう。
土地の価格が比較的安い
市街化調整区域は、一般的に市街化区域よりも土地の価格が安くなります。面積が広い土地を探している場合でも、比較的土地を見つけやすいでしょう。
固定資産税が低く抑えられる
市街化調整区域は、固定資産税が安くなります。建物の価値が低く評価されるため、税金負担が軽減されます。
静かな環境が手に入る
市街化調整区域内は、大規模商業施設などの建築が制限されているため、一般的に静かな環境が保たれます。都市の喧騒から離れて、のんびりとした生活を楽しむことができます。
一方で、市街化調整区域にはデメリットもあります。
インフラ整備が遅れる
市街化調整区域は、都市部に比べてインフラ整備が遅れることがあります。道路、公共交通機関、学校、医療施設などの利便性が低い場合があり、生活に不便を感じることがあるかもしれません。通勤や子育てを考慮する際には検討が必要です。
助成金の対象外になることもある
市街化調整区域内での住宅建設は、一部の助成金の対象外になることがあります。政府や自治体からの支援を期待する場合、対象エリアを確認する必要があります。予算面での影響を検討しましょう。
売却が難しい
市街化調整区域内に建てた住宅は、将来的に売却するのが難しくなる場合があります。土地利用制限が厳しいため、購入希望者が限られるためです。住宅の売却を考える場合、市場動向をよく調査し、リスクを考慮する必要があります。
市街化調整区域内での注文住宅建設には、価格の面での魅力や静かな環境がありますが、インフラの整備や将来の売却に関するリスクも存在します。計画を練り、将来を見据えて検討することが大切です。
市街化調整区域は都市計画法に基づく重要な制度で、都市の健全な成長を支える役割を果たしています。注文住宅を建てる際には、所在地がどの区域に該当するかを確認し、適切な許可を取得することが不可欠です。
また、市街化調整区域内での建設に際しては、地域の指定に従った計画やデザインが求められ、周辺環境との調和も大切です。
市街化調整区域の利点として、土地価格が比較的安く、固定資産税が低いこと、静かな環境が手に入ることが挙げられます。しかし、インフラ整備の遅れや助成金対象外、売却難のデメリットも存在します。
慎重な計画と適切な情報収集が、市街化調整区域内での注文住宅建設の成功につながります。個人では解決が難しいことも多いので、まずは地元の工務店に相談してみましょう。
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