高騰する注文住宅の予算をどう立てる?業者選びのコツも解説

2023年度の調査によると、注文住宅を建てる人の平均年齢は48歳で、2人家族が多いです。融資金額は増加しているものの、年収倍率は減少しています。価格高騰の原因はウッドショックによる木材価格の上昇、円安による輸入コストの増加、職人不足による人件費の上昇です。

注文住宅を建てる際は、頭金を住宅購入費用の2割以上用意し、年収の25%を返済に充てるのが一般的です。コストを抑えるためには、信頼できる業者を選び、シンプルな設計や必要最低限の設備を選ぶことが重要です。

目次

注文住宅は年収の何倍?最新の傾向を解説

2023年度の調査によると、注文住宅を建てる人の平均年齢は上昇傾向にあり、家族構成では2人世帯が多くみられます。また、融資金額は増加する一方で、年収倍率は減少傾向です。

◇年齢や家族構成

注文住宅を建てる人の平均年齢は年々上がっており、2022年度には46.2歳、2023年度には48.0歳となっています。この背景には、経済的な安定やライフスタイルの変化が影響していると考えられます。

また、家族構成を見ると「2人家族」が最も多く、次に「3人」「4人」「5人以上」「1人」の順で利用されています。これらの傾向は、少子化や家族形態の多様化、ライフステージの変化を反映しています。

◇融資

注文住宅における融資金額は増加傾向にある一方、年収に対する借入金額の倍率は減少傾向にあります。

例えば、土地付き注文住宅では2022年と比べて融資金額が153万円増加し、注文住宅でも前年より73万円増加しました。一般的には、住宅ローンの借入額は年収の6〜7倍を目安にすると借り過ぎを避けられますが、将来の生活の余裕を考慮するなら年収の5〜6倍に抑えるのが理想です。

また、融資区分別に見ると、注文住宅以外のすべての区分で年収倍率は前年度と比べて横ばいか減少しており、融資金額が上昇している中でも、借入金額の抑制が意識されていることが分かります。

注文住宅の価格が高騰している原因とは?

引用元:photo AC

注文住宅の価格が高騰している主な原因は、ウッドショックによる木材価格の上昇、円安による輸入コストの増加、そして職人不足による人件費の上昇です。これらの要因が重なり、注文住宅の価格は年々上がっており、住宅購入を考えている人々にとって大きな課題となっています。

◇ウッドショック

ウッドショックとは、新型コロナウイルスの影響で世界的に木材の需要が増加し、価格が急騰した現象です。コロナ禍で在宅時間が増え、住宅需要が高まったことで、特にアメリカや中国での住宅建設が増加し、その結果、日本への木材供給が減少しました。

これにより輸入木材の価格が大幅に上昇し、国内の木材価格にも影響が出て、注文住宅の価格が上がりました。

さらに、ロシアのウクライナ侵攻も木材価格の高騰に影響を与えています。ロシアは世界有数の木材輸出国で、その供給が不安定になったことで、国際的な木材市場が混乱し、価格の上昇が続いています。

こうした複数の要因が重なり、木材価格と注文住宅の価格は現在も高騰しています。

◇円安

2022年には、1ドルあたり150円台という歴史的な円安が進行し、注文住宅の価格高騰に大きな影響を与えました。

日本の住宅市場では、木材、鉄鋼、断熱材など多くの建材を海外から輸入しており、この円安により輸入建材の価格が大幅に上昇しました。その結果、注文住宅の建築費用も急激に増加しています。

さらに、円安は輸入コスト全般を押し上げ、輸送費やエネルギーコストも高騰し、これが建築費のさらなる増加を引き起こしています。また、円安による輸入建材の価格上昇は、国内市場にも影響を与え、国産材や国内生産品の価格も上がっていると考えられます。

◇人件費

国土交通省のデータによると、建設業の就業者数は平成9年のピーク時には685万人いましたが、平成28年には492万人まで減少しており、職人不足が深刻化しています。この職人不足により、人件費が上昇しています。

さらに、建設業に従事する人々の年齢を見ると、55歳以上が全体の34%を占める一方で、29歳以下はわずか11%しかおらず、業界の高齢化が進行中です。この状況では、若手の職人が少なく、高齢の職人が引退することで、今後さらに人件費が上昇することが予想されます。

2020年度以降、工事費用も大幅に上昇しており、2024年もこの高い水準が続いています。

注文住宅を建てる際に頭金は用意すべき?

注文住宅を建てる際には、頭金を十分に用意することで、借入額を抑え、毎月の返済負担を軽減できます。ただし、貯蓄の全額を頭金に使うのは避けるべきです。生活予備費や将来の出費も考慮し、バランスよく頭金を準備することが、無理のない住宅購入につながります。

◇返済金の目安

注文住宅を建てる際の返済計画の目安として、年収の約25%を住宅ローンに充てるのが一般的です。

例えば、年収400万円の家庭が35年ローンを組む場合、総予算は約3,500万円で、頭金として780万円を用意すれば、借入額は2,720万円になります。

年利1.5%で計算すると、月々の返済額は約8.3万円、年間では約100万円となり、これは年収の約25%に相当します。年収700万円の場合は、総予算が約6,125万円、頭金1,365万円で借入額は約4,760万円、月々の返済額は約14.6万円です。

ただし、固定資産税などの追加費用もかかるため、実際の支払いはさらに多くなることを考慮する必要があります。

◇頭金の目安

頭金の目安としては、住宅購入費用の2割以上を用意するのが理想です。例えば、年収400万円の家庭では、適切な借入額が約2,720万円になるため、780万円ほどの頭金が望ましいです。

さらに、住宅購入には登記費用や税金などの諸費用もかかるため、これらを含めて住宅費用の約3割を頭金として準備することが推奨されます。

ただし、貯蓄の全額を頭金に使うのは避けるべきです。生活予備費や将来の大きな支出に備えて、一定の貯蓄を残しておく必要があります。一般的には、サラリーマンなら月収の3〜6ヶ月分、個人事業主なら約1年分の生活予備費を確保しておくと安心です。

高騰する注文住宅を安くする方法

注文住宅の価格が高騰している中でコストを抑えるには工夫が必要です。北九州で注文住宅を建てる際は、信頼できる業者を選び、シンプルな設計や無駄のないプランを選ぶことで、材料費や工事費用を削減できます。こうした工夫により、予算内で理想の住宅を実現することが可能です。

◇業者選び

北九州で注文住宅を安く建てるためには、業者選びが重要です。大手ハウスメーカーは信頼性がありますが、費用が高くなることが多いです。

そのため、ローコスト住宅を専門とするハウスメーカーを選ぶのが賢明です。ローコスト住宅の業者は、一般的に費用が低く抑えられる傾向があります。

予算オーバーを避けるためには、最新の高価な設備を無理に提案する業者には注意が必要です。コンパクトな設計やメンテナンス費用も考慮してくれる業者を選ぶことが大切です。

また、複数の業者から話を聞いたり、ハウスメーカーや工務店が開催する勉強会に参加したりすることで、良い業者選びの参考になります。

◇シンプルな設計

家の形をシンプルにし、無駄のない設計を心掛けることで、外壁の面積を減らし、材料費や工事の手間を抑えることができます。特に、総2階建てやシンプルな屋根形状を選ぶことで、大幅にコストを削減できるでしょう。

また、設備は必要最低限に絞り、後から追加できるオプションは後回しにすることで、初期費用を抑えられます。こうしたシンプルで機能的な設計を選ぶことで、予算内で満足のいく注文住宅が実現できます。


2023年度の調査によると、注文住宅を建てる人の平均年齢は上昇し、2023年度には48.0歳です。家族構成では2人家族が多く、少子化やライフステージの変化が反映されています。融資金額は増加していますが、年収倍率は減少傾向です。一般的には、住宅ローンの借入額は年収の5〜6倍が理想とされています。

注文住宅の価格高騰の主な原因は、ウッドショックによる木材価格の上昇、円安による輸入コストの増加、職人不足による人件費の上昇です。ウッドショックは、コロナ禍で木材の需要が増し、供給が減少したことで価格が急騰しました。

円安も輸入建材の価格を引き上げ、建築費用を増加させています。職人不足も影響しており、建設業の就業者数が減少し、人件費が上昇しています。

注文住宅を建てる際には、頭金を十分に用意することで借入額を抑え、返済負担を軽減できます。頭金の目安は住宅購入費用の2割以上で、生活予備費や将来の支出も考慮して準備することが推奨されます。返済計画としては、年収の約25%を住宅ローンに充てるのが一般的です。

高騰する注文住宅のコストを抑えるためには、信頼できる業者を選び、シンプルな設計や無駄のないプランを採用することが重要です。北九州で注文住宅を建てる際には、ローコスト住宅の専門業者を選び、コンパクトな設計や必要最低限の設備を心掛けると、予算内で満足のいく住宅を実現できます。

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